
10月1日(木)、博多センタービルにて2021年度入社予定の新卒採用内定者(地域マーケット部門) の内定式を開催。
※国際物流部門も同日に東京会場にて開催
倉富社長は内定者に向けてメッセージを送りました。
新型コロナウイルスの影響が広がる経営環境の中、新しく加わる仲間に向けたメッセージは、現在働く従業員にとっても、大切な内容です。
ぜひお読みください。
新型コロナウイルスによる経営環境の変化
皆さん、このたびは内定おめでとうございます。
皆さんの就職活動は、新型コロナウイルス感染拡大により例年と全く異なる、大変不自由なものであったと思います。本日こうして内定式を迎えられ、同期とも顔を合わせることができて、喜びと安堵を感じていることかと思います。
新型コロナウイルスの影響が、全世界に甚大な影響を及ぼしており、国内の企業、特に「人が移動し、人が集まること」を事業とする会社が、軒並み大変厳しい状況にあることは、皆さんもご存知のことかと思います。
西日本鉄道は、公共交通機関や商業施設、ホテルなどを営んでいますので、この影響を真正面から受けており、創業112年の歴史の中で、今まさに「最大の困難・苦難」に直面しております。
変革・挑戦を続けてきた西鉄のDNA
しかし、私たちはこの危機を「チャンス」でもあると捉えて、苦しみながらも、前を向いて歩き出しています。
私たちは112年の歴史の中で、何度も経営上の危機を迎えてきましたが、私たちの先輩は知恵と工夫、そして、不断の努力により、勇気を持って変革・挑戦を続け、これを乗り越えてきました。
第二次世界大戦後には、壊滅的となった交通網を、全社を挙げて、復旧させました。
高度経済成長期の1970年代には、自動車の普及、モータリゼーションにより赤字事業となっていた路面電車を廃止し、沿線開発やホテルなど、事業の多角化を進めました。
そして近年では、成長市場である海外へ、住宅事業、ホテル事業を進出させました。
この変革の歴史こそが、先輩方が築いてくれた私たち西鉄グループのDNAであります。
そしてコロナ禍のいま、100年に一度の、大変革を迎えています。
コロナ禍以前の社会に戻らなくても、私たちが将来にわたって企業活動を継続し、成長を続けるためには、これまでのビジネスモデルを抜本的に見直し「新しい西鉄」に生まれ変わらなければなりません。
皆さんは、その激動の時代に入社することになりますが、明るく前向きに、新たな挑戦ができるチャンスに入社するんだと捉えて、期待を胸に、残りの学生生活を過ごしていただければと思います。
お伝えしたいこと3点
本日は、私から皆さんにお伝えしたいことを、3点お話しいたします。
① 西鉄グループの企業理念
私たち西鉄グループは「出逢いをつくり、期待をはこぶ事業を通して"あんしん"と"かいてき"と"ときめき"を提供しつづけ、地域とともに歩み、ともに発展します」ということを、企業理念に掲げています。
また「まちに、夢を描こう。~Connecting Your Dreams~」を企業メッセージ、行動指針としています。
この理念・メッセージのもと、西鉄グループは鉄道やバスなど、地域の重要な交通インフラとしての事業を中心に、都市開発事業、住宅事業、ホテル事業、ストア事業など、生活に密着したさまざまな事業を営み、福岡県を中心に、地域社会に深く根を下ろした事業を展開してまいりました。
その一方では、国際物流事業を世界中に展開しており、申し上げたとおり、住宅事業やホテル事業についても、海外への展開を進めています。
各事業の取り組み内容については、後ほど改めてお話しいたしますが、このように西鉄グループが「まちづくり企業」、「グローバル企業」として現在の姿にまで、成長を遂げてまいりましたのは、先輩方、そして現役の社員たちが、この理念を常に意識し、福岡県はもとより世界各地において、地域やお客さまからの信頼、期待にこたえ、地域とともに、歩んできたからです。
この企業理念、企業メッセージは、私たち西鉄グループの考え方、事業方針の根幹です。
これは、コロナ後の次の時代でも、変わるものではありません。皆さんも、これらをしっかりと頭に入れて頂きたいと思います。
② まち夢ビジョン2025
西鉄グループでは、今後のさらなる成長・発展を目指し、これから先10年後の「ありたい姿・目指す姿」を描いた「まち夢ビジョン2025」を、4年前(2016年)に策定いたしました。
これは、今回のコロナショック前に策定したビジョンですから、今後、見直しが必要となりますが、当社の成長戦略のベースとなる考え方ですので、ぜひ理解していただきたいと思います。
このビジョンでは、西鉄グループの事業を、「地域マーケットビジネス」「国際物流ビジネス」という大きな2つのユニットに分け、それぞれのユニットを成長させていくことを、目標としています。
(1)「地域マーケットビジネス」
私たち西鉄グループの根幹をなす事業は、福岡の皆さまの暮らしを支えるバス・鉄道といった公共交通サービスです。ICTなどの新たな技術も活用しながら利便性や生産性を高めていくとともに、観光需要の取り込みにも、取り組んでいるところです。
例えば、昨年3月からは、地域を味わう旅列車「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」を運行しており、筑後地域や天神大牟田線の魅力を、広く発信できるよう努めております。
合わせて、ここ福岡市をはじめ、沿線各地において、住宅・商業・オフィスなど、総合的な都市開発事業、まちづくりを推し進め、まちの発展をけん引してまいります。
特に天神においては、昨年3月まで西鉄本社でありました、「福岡ビル」と天神コア、天神ビブレ跡地を一街区とした、「福ビル街区」を現在の2倍の高さ、約100mの高層ビルに建て替えるもので、現在は福ビルの解体に取り組んでいます。
新ビルは、「コロナに強いビル」をセールスポイントのひとつにしたいと考えています。
また、大名小学校跡地においても、115メートルの高層ビルを建築し、5つ星ホテル「リッツ・カールトン」が入居する予定です。
さらには、福岡空港運営の民間委託を、わが社を代表企業とする特定目的会社「福岡国際空港株式会社」が受託しており、昨年4月より運営を開始しました。
現在はコロナの影響による旅客減で、大変苦戦を強いられていますが、「東アジア トップクラスの国際空港」を目指し、ハード・ソフトの両面で、これから、さまざまな開発、施策を展開してまいります。
高島市長が、福岡市は、「世界最速の感染症対応シティ」となることを目指すと言っておられますように、福岡は大きなチャンスとポテンシャルを秘めております。
その福岡において運輸、まちづくりを中心に、その先頭に立って、ポテンシャルを引き出していくのが、私たち西鉄グループの使命であります。
特に、先ほどお話しした、福ビル街区、大名、福岡空港等の大型プロジェクトは、その目玉となるものであります。
いわば、アジアの拠点都市・福岡の100年の計を、「私たちが担っていく」と申し上げてもいいと思います。
(2)「国際物流ビジネス」
航空貨物に加え、海運事業の強化や新たな
サービスの提供など、積極的に、事業拡大や競合他社との差別化を図っているところであります。
海外拠点の拡大も進めており、まち夢ビジョンを策定した2015年度に世界24カ国、97都市であった海外拠点を、新規拠点の開設やM&Aなどにより、2025年までに35カ国、130都市にまで拡充させることを
目指しています。
さらに、この海外ネットワークと、海外でのノウハウを活かし、福岡などで培った「地域マーケットビジネス」の、海外などへの域外展開も積極的に進めていこうというのがこの「まち夢ビジョン」の成長戦略です。
ホテル事業では、韓国のソウルと釜山に、そして本年5月にタイ・バンコクに、ソラリアホテルを開業したほか、台湾・台北での開発を進めています。
また住宅事業では、ベトナムやインドネシア、そしてアメリカで、全部で一万戸を超える事業展開を押し進めています。この海外展開を進める上では「国際物流事業のネットワーク」という他社には無い強みが大きな支えとなっています。
また首都圏での住宅事業の展開も、少しずつ大きくなってまいりました。
このような、海外や首都圏展開などで得られたノウハウを、ここ福岡での地域マーケットビジネスに活かし、西鉄グループを一層成長させていこうというのが「まち夢ビジョン2025」の目指す姿、考え方です。
繰り返しになりますが、この考え方はWITHコロナ、ポストコロナを見据えて、変更が必要になる部分もあり、今後、新たな長期ビジョンを整理してまいりますが、考え方のベース、根幹は申し上げたとおりです。
以上のように、私たち西鉄グループはこのコロナ禍を乗り越え、新しい時代においても事業を継続・成長させるため、今後もさまざまな変革に、挑み続けていく訳でありますが、来年4月に当社に入社される皆さんにも、私たちの新しい挑戦の一翼を、ぜひ担っていただきたいと思います。
③ 残りの学生生活において意識していただきたいこと
残りの学生生活6か月間、皆さんには今から話すことを意識してお過ごしいただきたいと思います。
まず健康管理に十分注意していただきたいということです。新型コロナウイルスに対しても、マスクや手洗いの徹底、3密を避けるなど、日頃から十分に対策をしてください。入社までの6か月間、皆さんにとって心身ともに充実した期間とするためには、健康が第一です。
合わせて、しっかりと勉強しておいていただきたいと思います。学業はもちろんですが、語学や経済、社会情勢など、さまざまな情報に触れて、幅広い教養をつけてください。
入社後はどうしても、目の前の業務に追われ、腰を据えて勉強をする時間が取れないようになります。今のうちにコツコツと勉強をし、社会人生活に向けての糧(かて)としてください。
そして最後に、飲酒運転を絶対にしないということを、強くお願いいたします。
西鉄グループの事業の根幹は、「安全・安心」です。
お客さまの安全の確保はもちろん、業務外においても、事故につながるような軽率な行為は決して許されませんし、酒気帯び運転で社員や内定者が検挙されたというだけでも、地域の皆さまからの信頼を一瞬にして失ってしまいます。飲酒運転は絶対にダメです。
飲酒した直後は当然のこと、その翌日も十二分に注意を払ってください。皆さんは社会から見れば、すでに西鉄グループの一員です。
このことを胸に深く刻んでいただくよう、お願いをいたします。
それでは、来春の入社式でまた元気な皆さんとお会いできることを、そして、皆さんと一緒に社会・地域のために働けることを楽しみにしています。
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