

8月12日(木)、西鉄グループにおける2021年度第1四半期(2021年4~6月)の連結決算が確定し、決算短信が開示されました。
今回はその内容について皆さまへご紹介いたします。
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第1四半期:最終損益△1.7億円に
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2021年度は、昨年度同様に世界中で流行したコロナウイルス蔓延防止の為、外出の自粛や国内外における人の移動が制限されたことによって、運輸業やレジャー・サービス業を中心に多くの業種で厳しい状況となりました。しかしながら、国際物流事業での取扱高の増加を筆頭に、ほぼすべての業種で前年同期からは改善し、対前年で増収・増益(※損失幅の縮小)となりました。
第1四半期決算を受けての年度予想(純利益25億円)変更は行わないため、年度内の黒字確保に向けて、第2四半期以降も懸念されるコロナ禍の影響を踏まえた、更なる予算執行制限の徹底や収益確保の為の能動的な施策が必須となります。
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【第1四半期 全体損益】 単位:億円
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【第1四半期 セグメント別】 単位:百万円
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「運輸業」については、コロナ影響による外出自粛やイベント中止・縮小などにより旅客人員が低迷したものの、前年同期からは回復し、対前年増収・増益(※損失幅の縮小)。
「不動産業」については、住宅事業で「センターマークスレジデンス」などの分譲マンション販売戸数が増加したことや、賃貸事業で商業施設の賃貸収入が回復したことなどにより、対前年増収・増益。
「流通業」については、会計ルールの変更(「収益認識に関する会計基準*」等の適用)や巣ごもり需要の反動減、ストア事業での販売促進費の増加などもあり、対前年減収・減益(※ただし、黒字確保)。
「物流業」については、国際物流事業で、海外経済の改善などにより輸出入取扱高が増加し、対前年増収・増益。
「レジャー・サービス業」については、コロナ影響による海外からの移動の制限や国内での移動自粛などを受けて、稼働・旅行客数は低迷したものの、前年同期からは回復し、対前年増収・増益(※損失幅の縮小)。
「その他」については、車両整備関連事業や建設関連事業において会計ルールの変更(「収益認識に関する会計基準*」等の適用)などによって減収の一方、金属リサイクル事業での国内鉄スクラップ相場等の上昇による粗利の増加などによって増益。
*「収益認識に関する会計基準」については、決算短信P12を参照ください。
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連結財政状態(貸借対照表:BS)
単位:億円
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資産合計は、6月に社債を発行したこと等により、現金及び預金(流動資産)が増加したことで、対2021年3月期末より増加。
負債合計は、前期未に計上の未払い分が支払われたことで、支払手形及び買掛金(流動負債)が減少した一方、前述の社債発行等により有利子負債が増加し、対2021年3月期末より増加となりました。また、純資産合計は、剰余金の配当などによって、対2021年3月期末より減少しました。
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収益確保に向けて
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足元の運輸業の旅客人員は対前年で回復するも、在宅勤務やオンライン授業の浸透、海外からの旅行者の減少等により、2019年以前の旅客人員には戻らないと見込んでいます。
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(参考:第1四半期決算 旅客人員推移(百万人))
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このような状況下において、年度内の黒字を確保するためには、まずは沿線地域などの足元需要喚起の施策を打つことに加え、利用者の不安払拭のため、感染症対策の徹底と安全性の周知を行うことが重要です。
また、上記のような公共事業者としての責任を全うするとともに、物流部門や海外不動産など成長分野への積極的な取組みを実践する必要があります。
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困難な時期ですが、今こそ、先輩方が築いた西鉄グループならではの強みである強靭なポートフォリオを活かし、西鉄グループの"総合力"を発揮するときです。この局面を乗り越えるため、従業員皆がこの困難を自分事として捉え、各社各部で知恵を絞り、実践してまいりましょう。
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