

8月8日(木)、西鉄グループにおける2024年度第1四半期決算(2024年4月~6月)の連結決算が確定し、決算短信を開示しました。
今回はその内容についてみなさまへご紹介いたします。
第一四半期決算:最終損益37億円に
《概況》
●営業収益および営業利益では、物流業における国際物流事業で高止まりしていた販売価格の低下などにより減収となった一方、不動産業における住宅事業でマンション販売戸数の増加や、レジャー・サービス業におけるホテル事業で客室単価の上昇などにより増収・増益となりました。
●経常利益は、持分法による投資利益の減少(前年計上:大名プロジェクト特定目的会社)などにより減益
●親会社株主に帰属する四半期純利益は、固定資産売却益の減少(前年計上:西新パレス)などもあり減益となりました。
営業利益は2003年度に四半期決算を導入して以来、過去最高となりました。
連結子会社は+1社(株式会社 Nishitetsu One Style)
(セグメント別)
① 運輸業【増収・増益】
バス事業では運賃改定(2024年1月実施)の効果により増収、鉄道事業では旅客人員の回復などにより増収となりました。その結果、営業収益は200億3千5百万円(前年同期比 6.8%増)、営業利益は13億6千9百万円(前年同期比 49.4%増)となりました。
なお、旅客人員は鉄道事業で 4.3%増(前年同期比)、バス事業(乗合)で 1.1%減(前年同期比)となりました。
② 不動産業【増収・増益】
住宅事業ではマンション販売戸数(一棟売却賃貸マンションの戸数含む)が増加し増収、賃貸事業ではホテル施設の賃貸収入(セグメント間取引)の増加などにより増収となりました。その結果、営業収益は194億5千5百万円(前年同期比 34.8%増)、営業利益は25億8千2百万円(前年同期比 56.8%増)となりました。
なお、分譲販売区画数は197区画(前年同期比 121区画増)となりました。
③ 流通業【増収・減益】
ストア事業では改装による一部店舗の休業や競合店の影響などにより減収となった一方、生活雑貨販売業では「イオンモール直方店」の開業(2024年4月)などにより増収となりました。その結果、流通業の営業収益は171億4千1百万円(前年同期比 0.4%増)となりましたが、営業損益はストア事業での人件費や店舗の改装費用などが増加したこともあり、3千7百万円の営業損失(前年同期は営業利益7千7百万円)となりました。
④ 物流業【減収・減益】
国際物流事業では荷動きの回復が一部あったものの、高止まりしていた販売価格の低下などにより減収となりました。その結果、物流業の営業収益は328億9百万円(前年同期比 9.4%減)、営業利益は5億9千万円(前年同期比71.5%減)となりました。
国際貨物取扱高は、航空輸出で 0.2%増(前年同期比)、航空輸入で 4.9%減(前年同期比)、海運輸出で 11.1%増(前年同期比)、海運輸入で 9.0%増(前年同期比)となりました。
⑤ レジャー・サービス業【増収・増益】
ホテル事業では客室単価の上昇や前期に開業した「ソラリア西鉄ホテル台北西門」(2023年8月)の寄与などにより増収となりました。その結果、レジャー・サービス業の営業収益は118億8千4百万円(前年同期比 21.3%増)、営業利益は13億2百万円(前年同期比 65.6%増)となりました。
⑥ その他【減収・増益】
車両整備関連事業で受注が増加した一方、建設関連事業で完成工事高が減少したことなどにより、その他の営業収益は64億9千6百万円(前年同期比 0.1%減)となりました。営業利益は、車両整備関連事業での粗利の増加などにより2億2千1百万円(前年同期比 56.6%増)となりました。
2024年度 業績予想
今期は、国際物流事業で取扱数量の増、住宅業で販売戸数の増などにより増収の見込みであるものの、ワン・フクオカ・ビルディング竣工に伴う費用増、特別利益の減などで最終利益は157億円となる見込みです。(5/10公表時より変更なし)
第一四半期総括:(8/9グループ経営戦略会議での社長コメントより抜粋)
「営業収益は過去2番目、営業利益は過去最高、経常利益・四半期純利益も過去3番目ということで、国際物流事業やバス事業で、当初の見込みより取扱数量や利用客数が伸びず予算未達となった他、減益となった事業も散見されますが、回復傾向にはあり、全体としては良好な決算ではなかったかと感じています。
グループ社員一丸で頑張った結果と、心から感謝したいと思います。
足元の経済状況ですが、7月末に日銀から短期金利の引き上げと長期国債買入れの減額計画による金融引き締め策が発表され、アメリカでは9月の政策金利引下げが確実視される等、日米での金融政策の転換が鮮明になってまいりました。
これを受けて、1ドル160円台をピークに円高基調に転換し始めていた為替相場はさらに円高が加速する中、8月に入って、アメリカでは景気後退懸念が高まり、株価が大幅下落。日本の株式市場でも8月5日にブラックマンデーを超える株価の下落、翌6日にはアメリカの景気減速懸念が和らぎ大幅に回復。そして、翌7日には再度下落の動きを見せるも、日銀の短期金利引上げ等の金融引締め実施時期の見直しメッセージを受け持ち直す等、株価は乱高下しており、経済の先行きは非常に不安定な状況と言わざるを得ません。
今後、年末にかけて、アメリカでは大統領選、日本でも政局の動きが見込まれており、仮に政治に大きな変化が起きれば、これも少なからず経済に影響を及ぼすことになります。
第16次中計の2024年度計画の施策を着実に実施しつつも、経済の先行きを十分に注視し、実施する内容や規模、スケジュールの再チェック等、リスクコントロールの視点も持っていただくようお願いします。
ただし、慎重になり過ぎて計画自体を止めてしまうのは禁物です。中長期的な社会経済のトレンドを見据えたビジョンを掲げ、その実現の方向性に沿って練り上げた中計施策です。
短期の景気変動や経済のファンダメンタルによって、中計施策の意義が根底から覆されることはありません。当面のリスクへの対応を適切に織り込み、アプローチを工夫しながら、中計施策の目的を達成していただくようお願いします。」
★第一四半期決算短信はこちら↓
https://www.nishitetsu.co.jp/ja/ir/i_news/auto_20240807565209/pdfFile.pdf
★決算説明資料はこちら↓
https://www.nishitetsu.co.jp/ja/ir/i_news/auto_20240808566783/pdfFile.pdf
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