

こんにちは、東京事務所の西野です。
今回は東京から少し足をのばして、千葉県のニュータウン「ユーカリが丘」の鉄道(新交通システム)・バスに全国で初めて本格導入された顔認証システムを利用してきましたのでレポートします!
ユーカリが丘
本題に入る前にユーカリが丘について少しご紹介します。
「千年先までも発展し続ける街」を目指し、世代の偏りで急激な高齢化に至ることの無いよう年間の住宅供給量をコントロールしながら、ライフサイクルに応じた住み替えサポート等にも取り組むなど、SDGsの理念が世に広まる遥か以前から持続可能な街づくりが計画的におこなわれてきた先駆的なニュータウンで、開発から50年以上が経過した今日でも成長が続いています。
そのユーカリが丘を走る新交通システム「山万ユーカリが丘線」と「山万コミュニティバス」に本年6月から顔認証で乗車・決済できるシステムが本格導入されました。
事前登録
まずは専用サイトで事前登録が必要になります。
案内に従ってスマートフォンで顔を撮影して認証情報を登録、クレジットカード情報などを入力すれば準備完了です。
山万ユーカリが丘線
改札に認証端末が設置されています。
ある程度の距離に近づくと顔に照準が当たり即座に認証が完了、体感としてはコンマ何秒の世界です。
画面を覗き込んだり立ち止まったりせずに通過(ゆっくり歩き)も試してみましたが、問題なく認証されました。
予想以上の精度と処理速度に感心します。
3両連結の小さな車両にガタゴトと揺られること一周約15分、始発駅に戻ってきた後は専用改札から駅を出ました。
なお、出場の際は認証等もなくノーチェックです。
均一運賃(大人200円)だからこそ運用できる方式ですね。
山万コミュニティバス
バスに乗り込むと、目線よりやや上の運転席横の位置に顔認証の端末が設置してあります。
「この端末を覗けばいいんですか?」と運転手さんに尋ねるが早いか、軽快な電子音が鳴り認証が完了しました・・・はっ、早い。
なお、バスも鉄道同様に均一運賃(先払い)なので決済は乗車時で完結です。
ちなみに、今回の乗車時には我々以外に顔認証を利用する姿は見かけませんでした。
運転手さんに話を聞くと、ご高齢のお客様が多くまだまだ浸透していない様子とのこと。
感 想
コンビニ等でのQRコード決済レベルの手間や時間を想像していましたが、予想を超えるスムーズさには正直驚きました。
顔パス通過の気軽さもあり、ついつい銀行口座の紐が緩んでしまいそうな気がします。
「高齢者には難しい」という話も耳にしましたが、一度登録してしまえばスマートフォンの持ち歩きすら必要ないので、家族や知り合いに事前登録を手伝ってもらえば万事解決の感があります。
処理スピードや複雑な運賃体系への対応においては交通系電子マネーに及ばず、導入可能なケースはある程度限られるものと思われますが、あくまでも現在の技術水準での話。
大阪・関西万博の開幕に合わせた実用化を目指して、大阪メトロが顔認証式の改札機を200台以上・100超の駅に導入するという報道がなされるなど、普及拡大の動きも見られます。
遡ること20数年前、私が西鉄に入社したてのころは磁気券が決済手段の圧倒的な主役でした(今の若い方々は「よかネットカード」などご存じでしょうか?)。
この先10~20年後の乗車・決済手段がどのように様変わりしているのか、未来を予感させると言うと大袈裟かも知れませんが、想像が膨らむ体験となりました。
【参 考】ユーカリが丘 公式タウンポータルサイトはこちらから →
余 談
ユーカリが丘線の車両には冷房が設置されていません。
サイズや重量等の関係で設置できないのかも知れませんが、なかなか前時代的・・・。
35℃近い真夏日に乗車したのでサウナ状態を覚悟しましたが、窓全開&送風のおかげで"ととのう"ほど暑くはありませんでした。
車内に用意された冷えたおしぼりやうちわが、何とも微笑ましい雰囲気を醸し出していました。
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