

東京事務所の川上です。
今回は、9月17日に第1期エリアを開業した「バスターミナル東京八重洲」をご紹介いたします。
東京駅・八重洲エリアの大規模再開発に合わせて段階的に整備されるもので、全体が開業すると日本最大級の20バース(乗降場)、約21,000㎡のバスターミナルとなります。
バスターミナル整備の背景と概要
東京駅の八重洲側には、グランルーフ(大屋根)の下に「東京駅高速バスターミナル」という立派な乗り場があるのですが、さすがは国際都市東京の玄関口である東京駅、各方面に向かう高速バスの便数が多いため既存のターミナルには入りきれず、乗り場が周辺の路上に散在しています。
その結果、バスや乗降客が車道や歩道の交通を阻害するだけでなく、利用客にとっても乗り場がわかりづらく、乗り換えも不便。特に待ち環境が劣悪で雨天や炎天にさらされながら出発を待たなくてはならない状況です。
この課題に対応するために、当初は一体的なバスターミナルの整備を検討されたそうですが、路上で発着する約1,200便の高速バスを収容するためにはスペースが足りず、結果的に、事業主体やスケジュールが異なる3地区の再開発事業にまたがって整備することとなったそうです。
今回の第1期は6バースを有するバスターミナルが開業しましたが、今後は第2期(2025年度開業予定)に6バース、第3期(2028年度開業予定)には7バースのバスターミナルが整備されます。
整備にあたってはUR都市機構が再開発に合わせて段階的に3地区のバスターミナルを取得し、京王電鉄バスが一括して運営することで、一体的なバスターミナル機能の確保をおこないます。
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・9月 17 日(土)開業予定の(仮称)八重洲バスターミナルの名称を 「バスターミナル東京八重洲」に決定
第一期エリアの概要
第一期エリアは、来年春にグランドオープンする「東京ミッドタウン八重洲」の地下1、2階にあり、隣接する13の飲食店と一緒に先行的にオープンいたしました。
東京駅からは徒歩2~3分と近く、「八重洲地下街」を通ると雨風の影響を受けることなくアクセスが可能です。
開業に合わせて、路上で発着する約1,200便のうち、約550便がバスターミナルに移行、合わせてエリア周辺の路上バス停を撤去します。
また、バスターミナル開業に合わせて、新たに運行を始める路線があり、その約50便を含めて、約600便のバスが発着いたします。
バスターミナルの機能・デザイン
このバスターミルの印象はとにかくシンプル。表示を最小限に抑え、外国人を含め誰でも直観でわかるようにデザインされているそうです。
地下1階にある「チケット売り場」は、3つのカウンターがありますが、一つしか開けていませんでした。自動券売機はひとつだけで利用はほとんどありませんでした。
今回乗り入れる路線が予約不要の路線でICカードを利用される方が多いこともあるかと思いますが、最近は予約路線も事前にチケットを購入される方が多いことを考えると、この規模で十分と判断されたのだと思います。
地下2階にある「乗り場」は更にシンプル!
固定の表示物は乗り場の番号だけで、行き先や発着時刻はデジタルサイネージでの表示に統一されています。
(全ての時間帯の)時刻表を表示していないのには驚きました。
我らが「西鉄天神高速バスターミナル」もシンプルかつ高いデザイン性で業界では名を馳せているのですが、さらに情報を削ぎ落しており、イメージで言うと飛行場(搭乗口)に近いと感じました。
これだけ徹底すると路線や時刻を変更する時の労力と費用が大幅に削減できると感じました。
また、待ちスペースに加え、コンビニや飲食店も充実しているので快適にストレスなくバスを待つことができると思います。
まとめ
ひと昔前は、バスターミナルの入り口で大きな情報(総合案内版による乗場案内)を出し、乗場で行き先を確認し、最終的に、バス停標柱で系統番号や時刻、運賃を確認できるように、利用者視点で階層的に情報を出すことが望ましいと習った気がします。
現在は、スマホで情報を取り、場合によっては決済も済ませているので、バスターミナルでは乗り場や時刻の答え合わせができれば十分足りるということだと思います。
ひとつ残念に感じたことは、東京駅に隣接する既存のバスターミナルと新設されたバスターミナルで、相互案内がなかったことです。
路線が競合するなど難しい問題はあるとは思いますが、利用者視点で考えるとあった方がいいと思います。
今は、MaaSを使って様々な交通手段を連携させることでサービスを充実させていく時代ですからね。
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