

東京事務所の川上です。今回は、小田急バス㈱が東京都武蔵野市内のバス折返し場を開発した、新たな複合施設「hocco」をご紹介します。
カフェや総菜、雑貨店などからなる"なりわい賃貸住宅"を核に、シェアカーやシェアサイクルを有する地域コミュニティとモビリティ拠点として沿線地域の活性化を目指す、目新しい取り組みとなっています。
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バス折返し場を活用した、まちの新たな拠点「hocco」
「hocco」がある武蔵野市桜堤地区は、名前の通り、明治期までは玉川上水沿いの桜の名所として知られた地域であり、現在は、その名残が残る閑静な住宅地として発展を遂げています。
JR中央線・武蔵境駅からバスで12分程の位置にある、バス折返し場に隣接した遊休地(もともとはタクシー営業所で後に駐車場利用)に約3億円を投資して開発がおこなわれました。
小田急バス創立70周年の一環として、地域の活性化につながる施策を検討され、今回の取り組みに至ったそうです。
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★「hocco」について、詳しくはこちらをご覧ください
・ 小田急ニュースリリース 武蔵野市桜堤に「hocco(ホッコ)」が完成.pdf
・「hocco」(物件専用Webサイト) https://www.odakyubus.co.jp/hocco/
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緑に囲まれた、開放感のある憩いの場♪
一般的に郊外にあるバスの折返し場は、雨風をしのげてベンチがあれば御の字で、快適な場所とは程遠いところが多いのですが、写真の通り「hocco」は多くの緑と、個性的な建物に囲まれた素敵な空間を作られています。ベンチが多いのもいいですね。
モビリティ拠点としてシェアカーやシェアサイクルが配置されているだけではなく、カフェや雑貨店、宅配ロッカーなど利便施設も充実しているので、このバス停を利用する方は快適に移動を中心とした生活が送れると思います。羨ましいですね。
また、広場に日替わりでキッチンカーが来ることもあり、バス利用者だけでなく地域の方の憩いの場として使われているのも素晴らしいと思います。
交通事業者が運営されているので、賃貸住宅には駐車場がなく、入居者には「小田急バス全線定期券」が配付されるほか、交通サービスをお得に利用できる特典が付いているのも「hocco」の特徴のひとつです。
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▲ 宅配ロッカーや、自転車・車のシェアリングサービス
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地域の人が心地よく暮らせるまちに
私は長らく交通関係の業務を担当させていただいたのですが、今回のバス折返し場の開発を見て多くのことを考えさせられました。
「移動の連続性」や「待ち環境の改善」「新たな交通手段との連携」など"いかに便利に移動できるか"は考えてきましたが、"楽しく快適に移動できるか(待てるか)"や公共交通利用者だけでなく"その地域に暮らす人にとって必要な機能は何か"という視点は持ち合わせていませんでした。
加えて、企画・設計監理を外部に任せていることも大切なことだと思います。自前主義にこだわらず、専門性が高い方と協業することで、先進的な取り組みにつながったと思います。
小田急バス「hocco(ホッコ)」のチャレンジは大変勉強になりますが、地域によって必要な機能やカタチは異なると思います。
私たちも"まちに、夢を描こう。"の気持ちを忘れずに新たなモビリティ拠点づくりに取り組んで行きたいですね。
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