

東京事務所の川上です。
今回は、下北沢エリアで進められている沿線開発を紹介させていただきます。
小田急電鉄は地下化した線路の上(線路跡)を、京王電鉄は線路の下(高架下)の開発を進められています。
西鉄天神大牟田線(春日原~下大利間)も高架下の開発を控えていますので、参考にご覧いただけると幸いです。
下北沢について
下北沢は「小田急小田原線」と「京王井の頭線」が乗り入れており、新宿にも渋谷にも10分ほどで行くことができるアクセスの良さがウリの大変人気が高いエリアです。
特に、若者からの人気が高く、古くから「演劇の街」「ファッションの街」として知られています。
また、近年は「カレーの街」として躍進してもいるようです。
その昔、京王井の頭線沿いに住んでいた私の個人的な印象は、「おしゃれでセンスが高く少し近寄りがたい街」でした。
カレーは何度か食べに行った記憶はありますが。
小田急電鉄が開発する「下北線路街」
小田急電鉄は2019年3月に念願の連続立体交差事業および複々線化事業を完了されました。
東北沢、下北沢、世田谷代田の3駅を地下化したことで生まれた、全長1.7km、敷地面積約27,500㎡の広大な鉄道跡地を「下北線路街」と銘打ち、段階的に開発を進められてきましたが、いよいよ本年5月28日に全面開業されます。
開発コンセプトは「BE YOU.シモキタらしく。自分らしく」、開発テーマは「サーバント・デブロプメント(支援型開発)」です。
街に不足する緑を増やし、街とのつながりを意識し、回遊性を高める空間と賑わいづくりを世田谷区や地域の方々と連携して進められてきました。
施設も大変ユニークで、温泉旅館や保育園、学生寮、コワーキングスペースなど多様で街にとって意義のあるものを配置されています。
特に面白いと思ったのは、個人の商いや新たなチャレンジを応援する長屋「BONUS TRACK」です。
駅周辺は家賃が高いためチェーン店が多くなりがちですが、相場より安めに賃料を設定することで斬新で個性的なテナントを誘致されています。
写真の通り、緑が多く建物が低層であることもあり快適な空間をつくられています。
季節ごとに空き地でイベントを行われていることもあり、歩くこと自体が楽しい街となっています。
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京王電鉄が開発する「ミカン下北」
京王電鉄は本年3月30日に下北沢駅の新高架下施設「ミカン下北」を開業しました。
施設名称は、"常に未完であるである"ことに下北沢の普遍的な魅力を見出し、未完ゆえに生まれる新たな実験や挑戦を促す思いから名付けられたそうです。
コンセプトは、「ようこそ。遊ぶと働くの未完地帯へ。」です。
遊ぶと働くが混ざる下北沢を提案さされており、施設は個性的な飲食店舗を中心とした商業エリアと「遊ぶように働く」を体現するワークスペースで構成されています。
開発にあたっては「安く建てて高く貸す」形で目先の利益を追うのではなく、街のバリューを上げることを重視し、街歩きが楽しい下北沢の魅力を活かした空間創出に取り組むとともに、既存の商店街との共存共栄も強く意識されているようです。
また、世田谷区と協力してアクセス道路の整備、防災機能の強化、図書館カウンターの開設等をおこなうなど、住民サービスの充実にも取り組まれています。
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・下北沢駅の新高架下施設「ミカン下北」2022年3月30日(水)開業!!
・下北沢の新高架下施設「ミカン下北」を見てきた
・「ミカン下北紹介ムービー」を公開します!
感 想
両施設共通して感じたことは、単なる商業施設だけでなく、快適な歩行環境や保育園、オフィス機能の整備・充実など必要な機能を配置することで、街の(ひいては沿線の)価値向上を強く意識されていることです。
また、行政と連携し、地域と共存する姿勢にも感銘を受けました。
金太郎飴みたいな特徴のない街(駅)より個性がある街の方が楽しいですし、住んでみたいですよね。
機会があれば下北沢に是非行って実感してみてください。
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