

東京事務所の川上です。
今回は、大手町・丸の内・有楽町地区において進められているスマートシティ実現に向けた最先端の取り組みをご紹介します。
「自動運転バス」や「ロボットによる飲食配送」の実証実験に加え、イベント情報やモビリティ情報を一括して把握できるアプリの導入や、顔認証を活用した利用動向を把握する調査など、最先端の取り組みが盛りだくさんです。
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大手町・丸の内・有楽町地区(大丸有)の歴史
当地区は江戸時代、諸大名・旗本のための武家地でした。明治維新後は軍用地となっていましたが、岩崎弥之助氏(三菱)が買い取り、計画的にオフィスを建設したことにより現在のビジネス街の原型ができていったそうです。1914年には辰野金吾らが設計した東京駅が開業し当地区の発展が加速します。また大手町は官公庁街でもあり「大蔵省」「内務省」等主要な省庁が置かれていました。
戦後は、第一生命ビルにマッカーサー総司令官が入ったほか、丸の内地区の多くのビルはGHQにより接収されます。講和条約が結ばれた1950年代に入ると戦後復興が本格化、次々とオフィスビルに建て替えられていき、高度成長時代に向けたインフラ整備が急ピッチで進んでいきます。開発に併せて、南北に通っていた2本の裏通りが拡幅され、丸の内の代表的な街並みといえる現在の仲通りも完成します。
現在は、洗練された高層オフィスビルが立ち並ぶ日本を支える国際ビジネスセンターとして国内外の有力企業が集積する経済活動の中心ですが、東京駅をはじめとした歴史的な街並み(西欧風の赤煉瓦のビル)を現在まで継承していることが当地区の魅力に貢献していると思います。
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まちづくり協議会の取り組み
当地区の立地条件等を最大限に活かし、行政の街づくり方針に沿った積極的な街づくりを地権者が自ら進めていくため、1988年、「大手町・丸の内・有楽町地区再開発計画推進協議会」を設立、現在は「一般社団法人大手町・丸の内・有楽町地区まちづくり協議会」へと組織変更されています。
会員は85の法人・行政等により構成され、まちづくりに関する検討活動等を積極的に行なわれています。働かれている方が快適に過ごすことはもちろんですが、休日にも訪れたくなるまちを目指されているそうです。
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スマートシティ化の取り組み
当地区は、まちづくり団体、産・官・学が協働・協創して、スマートシティ化にも積極的に取り組まれています。
都心におけるスマートシティを最先端に実現することで、同地区の目標(まちづくりガイドライン)の達成と東京・日本の国際競争力向上を目指されています。代表的な取り組みについてご紹介します。
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《↓青字下線のタイトルをクリックすると、詳細が分かるページにリンクしています》
・「大丸有スマートシティビジョン策定」(2020年3月)
・「⾃動運転モビリティの実証実験」①(2021年3月)
・「⾃動運転モビリティの実証実験」②(2022年2月)
・「TOKYO OASISの社会実験」(第一弾)2020年7月~、(第二弾)2021年7月~
~涼しい快適な日陰ルートを検索できる快適な外歩きWEBサービス~
・リアルタイム回遊マップ 「Oh MY Map !を提供開始」(2021年12月)
~1つのアプリで交通の運行情報やエリアイベント情報を提供可能に~
・「ロボット走行による商品配送の実証実験」(2022年1月)
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感 想
20年以上も前になりますが、丸の内は就職活動の時期に何度か訪ねたことがありました。当時は単なるオフィス街で休日や夜間は人通りが少なく寂しい感じだったと記憶しています。
現在は先進的な高層ビルに建て替わり、有名ブランドの店舗やオープンカフェが軒を連ね、広い歩道には、多くの緑やベンチ、オブジェに囲まれており、歩いて楽しい町に生まれ変わっています。まちづくり協議会を中心とした、この地区のみなさまの努力が実を結んだのだと思います。
スマートシティ化への取り組みについても先進的なものが多く勉強にはなりますが、まだまだ発展途上とも感じました。一方、このような挑戦を続けることにこそ意味があり、いつか目指すゴールにたどり着くとも感じます。引き続き取り組みを注視し情報を共有させていただきます。
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