東京事務所の西野です。

今回はインバウンド増大で賑わう成田国際空港で活躍する西鉄エアサービス（以下、NishiAir）を取材してきましたのでレポートします。

福岡空港の第二滑走路供用開始や国際線ターミナル拡張、国内線複合施設の増改築計画などの高機能化に関する話題が注目を集めていますが、首都圏の成田国際空港においても発着容量の拡大に向けた滑走路の新設・延伸工事が本年5月に本格着工となりました。　※2029年供用開始予定
将来的なハブ空港機能の強化が始動した成田国際空港で着実に実績を重ね、業務を拡大しているのがNishiAirの成田国際空港所です。

NishiAirは2022年7月より成田国際空港において韓国のLCCチェジュ航空の業務受託を開始。
信頼と実績を積み重ね、2024年10月からはスペインのフルサービスキャリアであるイベリア航空に業務を拡大するなど、韓国・スペイン・オーストラリアを結ぶ路線に対応しています。
国内の9空港で事業を展開しているNishiAirですが、海外エアラインに特化しているのは成田国際空港所の特徴のひとつ。
在籍する約100名うち半数弱は海外出身者であり、人財の多様化が進んでいます。

空港のバックヤードは殺風景な光景が目につくものですが、NishiAirのオフィスは意外なほど明るく居心地の良い空間。働きやすい職場環境は皆さんに好評のようです。

事務所の片隅に兜飾り（端午の節句）を発見。
ひと口に「海外人財の採用・育成」と言っても、職場での教育に限らず、居住手続きや銀行口座開設等の生活面のサポート、日本文化に馴染んでもらう心配り等も欠かせないそうです。
一方でダイバーシティを推進するためには区別をせず、平等・公平であることも心掛けているとのこと。
管理者の細やかなフォローと当人たちの懸命な努力がチームワークの成長を支えています。

リラックスした雰囲気のオフィスの一角で、画面を睨みながら無線通信をおこなう姿が目に留まりました。
天候や各社の運航情報に目を配り、離発着作業の全体工程を管理しながら必要情報を各所へ伝達するオペレーション業務です。
オフィス内では用途に応じた場所で様々な活動が行われていました。

発券・手荷物預かりや搭乗案内をおこなう旅客業務を見学しました。
カウンターでは、海外エアライン業務のため多言語対応がひっきりなしで、荷物の有料対応などLCCならではの煩雑な手続きも頻発していましたが、笑顔でテキパキと接客。
人財多様性の真価ここにあり！の対応力でした。

続いて搭乗案内がピークに突入。
搭乗券とパスポートの目視チェックを次々にこなして無事に対応終了と思いきや、案内時刻を過ぎても姿が見えないお客様が数名・・・。
搭乗手続きやキャンセルの状況を問い合わせつつ、館内アナウンス＆免税フロアへ捜索ダッシュ！！
最前線の緊迫した光景を目の当たりにすると、日頃は何気なく聞き流していたアナウンスが違って聞こえてきます。

制限区域内に移動して航空機の地上支援業務を見学。
旅客誘導や荷物の積み下ろしなどが済むと、離陸に向けて航空機の移動開始です。
航空機を自走位置まで牽引する車「トーイングカー」に同乗させてもらいました。
プッシュバック操作は熟練の技。重心がクネクネと曲がりそうになるのを絶妙なハンドル操作で調節しながらぐいぐい押していきます。

ちなみに、NishiAirは連結器材（トーバーと呼ばれる航空機と車をつなぐ棒状の器材）が不要な牽引車両も所有しています。
前述のトーイングカーは10km/hに満たない速度でしたが、こちらは航空機の車輪を直接抱え込み30km/hで走行が可能。
機能が高けりゃ価格も・・・ということで、そんじょそこらのスーパーカーなら余裕で買えてしまうお値段だそうです。

最後はスタッフと一緒に手を振って航空機をお見送り。
これです！ この瞬間！！
無事に送り出した安堵感と清々しさが漂うハイライトシーンです。
ターミナル館内～機内外に至る見事な連携プレー、お疲れ様でした！

時間に制約がある中で、迅速さと安全・安心に気を配りながら仕事をこなす皆さん。
業務の合間や休憩中の、緊張感から解放されたホスピタリティ溢れる笑顔も印象的でした。
この業界も人財獲得競争は熾烈なようで、今後も特定技能制度の活用拡大など海外人財への期待は高まる傾向にあるようですが、「単なる労働力の確保ではなく高みを目指す仲間を得たいという思いですし、彼らは日本で活躍できるようになるための成長の場を得ることができるという、win-winの関係を望んでいます」と語る経営戦略部マネージャーの張さんの言葉が印象的でした。
今後も旅客増大が見込まれる日本の空の玄関口『成田国際空港』で、多様性と熱い心で地上最高のチームを目指す『NishiAir』の引き続きの活躍に期待しています！

成田国際空港所の外国籍社員の皆さんに、「お気に入りの場所」アンケートをお願いしました。
トップ回答は断トツで成田山（新勝寺・参道含む）。
日本の伝統的文化にすっかり馴染んでいらっしゃるようです。