

新企画『全力回答!役員インタビュー!!』。
この企画では、毎月お一人づつ役員の方に登場いただき、事前に社員から募った質問に全力で答えていただきます。
第2回目は、副社長の戸田康一郎さんです。
※記事においては、皆さんからお寄せいただいた質問のうち、広報課でセレクトしたものを先に掲載します。残りの質問の回答は末尾にまとめて掲載いたします。
仕事に関する質問
Q.西鉄入社を志望した動機は何ですか?
私は1986年度の入社です。ちょうど福岡駅の再開発計画(ソラリア計画)が動き出そうとしている時期でして、私も都市開発にかかわりたいなぁと思って入社を志望しました。配属希望も都市開発でしたが、一度もかかわることなく、この年になってしまいました。
Q.副社長の主なお仕事は何になりますか?
一役員として、安全あんしん推進部と人事部を担当していますが、副社長として、「社長補佐、業務全般」という役割が求められています。抽象的でよくわからないですよね。自分なりに、「社長が業務執行にできるだけ専任できるように、企業に求められる社内外の業務に対応、処理することが自分の仕事だ。」と思っています。ただ、どれだけできているかは甚だ疑問です。また、もう一つ、社長に対して、変に忖度することなく質問、意見することも自分の役割だと考えています。
▲博多どんたく港まつりにて。公益財団法人福岡観光コンベンションビューローの理事長も務めています。
Q.数々のお仕事をご経験されてきた中で、最も嬉しかった出来事と、一番の失敗談を教えてください。
A.最も嬉しかった出来事ですか。いろいろとやって、その時々の課題に対処してきましたので、それができたときは嬉しかったのですが、最も嬉しかったこととして1つあげるようなものは思い当たりませんね。管理部門が長かったので、そういう機会に恵まれなかったのかもしれません。
一番の失敗談ですか。入社1年目で、上司に怒られて、会社の廊下に立たされたこともあります。失敗は本当にいっぱいやっているので、一番といわれてもなかなか決めきれません。でも、実は、正直に言うと、自分の中では明確な一番の失敗があります。しかし、これはお話しできません。考えてみると、こういう場面で話せる失敗と、話せない失敗があるんですね。私の一番の失敗は後者の方なので、ご容赦ください。
Q. ご自身のなかで、仕事を進めていくうえで最も大切にされていることはなんですか?また、その考えはどういった経験から学ばれて、その考えになられたのかをお伺いしたいです。
「智・情・意のバランス」ということを大切にしています。自分の中で、知ることに思考が偏ったり、感情に流されがちになったり、意志をとても重視しがちになったり、ということがあるものですから、いつもこの言葉に立ち返るようにしています。10数年前、いろいろと思い悩んでいたころに、渋沢栄一について学ぶ機会があり、この言葉に出会いました。まさに私が大切にすべきことはこれだと思い至りました。
Q.戸田さんは事業部ではなく一般管理の役員をご担当のイメージが強いですが、鉄道の経験がなく、突然の鉄道事業本部長はとても大変だったのかなと思います。鉄道事業本部長を経験されて、印象に残った業務やトピック・得たものを教えてほしいです。
はい、大変でした(笑)。普通に使われている用語さえわからなかったので。
印象に残った業務等もたくさんあるのですが、鉄道を経験して得られたものの中で一番大きなものは、会社単位でなく、事業単位でものを見るようになったことです。グループでものを考えようと言われながらも、私はどこか会社単位でものを考えているところがありました。しかし、鉄道に行ってみると、鉄道に従事している従業員は1,300人もいて、そのうち乗務員は300人ぐらいなんです。鉄道事業はどうしても乗務員に目が行きがちですけど、保守安全業務や駅務業務に従事している人の方がずっと多くて、会社でみても、西鉄だけでなく、西鉄エンジニアリングや西鉄ステーションサービスなどと一体になって鉄道事業を行っているんです。鉄道事業全体としてどうあるべきかを考えるようになりました。おかげで、鉄道に限らず、どの事業に対しても、会社単位でなく、事業単位で考えるようになりました。
Q.若手のころに、仕事をするうえで心がけていたこと・気をつけていたことを教えていただきたいです。
自分らしくあることを心がけていました。上司からすると扱いにくい部下だったと思います。でも、ありがたいことにそういうところを含めて許容していただいたので、今でもこうして勤めることができているのだと思います。
一方で、「果たしてこれは本当にこだわらなきゃいけないことか。」という自問はよくしていました。こだわるところと、そうでないところ、それらを自分の中でできるだけ区別するように心がけていました。
Q.私は戸田さんに最終面接を行って頂きましたが、採用面接では就活生のどのようなところを見て判断されているのでしょうか。新卒採用・中途採用の面接時に心がけていることや、"人のここを見ている"といったポイントはありますか?
実は面接なんて、そう特別な視点があるわけではないんです。一人の就活生を見て、この人を採用したいか、会社の仲間になってもらいたいかということでは、私が見てもあなたが見ても多分同じだと思います。いい人、素直な人、正直な人を求めているわけですから。
その中で、心がけていることは、会社にはいろんなタイプがいた方がいいということです。似たようなタイプばかりになると、いくらいい人たちであっても、偏った方向に進むことがあります。多様な人が、いろんな意見、考え方を出していくことで、企業は健全に成長していくのだと思います。
Q.ご自身の行動とかで「これって西鉄愛だな」「やっぱり西鉄社員だな」と思う出来事、場面はありますか??
こういう質問があるということは、私にはあまり西鉄愛があるように感じないということなのでしょうか(笑)。そうかもしれません。あまり西鉄愛といったことを意識したことはない気がします。どちらかというと、客観的でいたい、独りよがりにならないようにしたいと思っていますので。
でも、「やっぱり西鉄社員だな」と思うことはよくあります。社外の人がよくわかりもしないのに西鉄のことを批判していたりするのを聞くと腹が立ちます。社内に、西鉄の信用を落とすような行動をする人がいればとても腹が立ちます。
Q.本社部門の休日は暦通りとなっていますが、現業部門では祝日も出勤しており休日が少ないと感じます。今後、本社部門同様の休日数に増やす事や祝日手当等予定はあるのでしょうか?
西鉄グループには様々な業態、職種がありますので、それぞれの業態、職種にあった勤務制度、休日制度であるべきだと思っています。よりエンゲージメントの高い組織となっていくためには、働き方、労働時間、休日・休暇などさまざまな面を改善していく必要がありますが、当然、それぞれが事業として存続しなければなりませんので、すべてをいっぺんにできるわけではありません。優先順位をつけて改善していくことが大事です。各事業部門、各社の考え方を尊重しつつ、一方で、雇用情勢等をふまえた積極的な提言もして、各事業部門、各社と連携して対応していきたいと考えています。
Q. 働き方や会社の風土も変わっています。(「さん付け」や机の並びなど)
そんななか『西鉄のこの風習/文化だけは変わってほしくないな』と思うことを教えてください!変わってしまったもので、"あの文化や風習好きだったけどな~惜しいな~"と思われることもあればぜひ教えてください。
西鉄グループの「地域とともに」、「福岡とともに」という意識はすばらしいと思います。新卒採用の面接でも、「会う人、会う人ひとり一人からその思いを感じる。そういう会社で働きたい。」ということを言ってくれる学生がとても多いです。自部門や会社のためだけでなく、そういう意識で行動できるところは変わってほしくないなと思います。
一方で、形の話をするようですが、最近、特に本社関係では、「人に信頼される身なり、服装」がおろそかにされている気がして、そこは惜しいなと思います。何もネクタイをしろとか、スーツを着ろとか言っているわけではありませんが、何事にもTPOというものはあります。働きやすい服装であればなんでもいいというものではないと思います。「人に信頼される身なり、服装」は、人に信頼される仕事につながるものだと思っています。
プライベートに関する質問
Q.幼少期はどんなお子様でしたか?
小学校時代、父親の仕事の都合で、何度も転校しました。せっかく慣れても、1年ほどで転校することもあり、寂しい思いをしました。こういう転校が多かった人は、「一見、穏やかで、誰とでも仲良くできそうだけど、その実、冷静で、人見知りな人が多い。」と聞いたことがあります。自分でもそうかなぁと思うところがあります。
Q.ご趣味は何ですか?また、オフは何をして過ごされていますか?
A.趣味、恥ずかしいんですけど、特にないんです。趣味って、一人でできることですよね。しいていうと散歩ぐらいでしょうか。ですから、オフをこうやって過ごしているという明確なものもないんです。でも、家でごろごろしていることは嫌いなので、何かを見つけてはいろいろやっています。
Q.奥様との馴れ初めを教えてください!
すみません、忘れました。
Q.退職後にやってみたいことはありますか?
まだ、これといってないですね。でも、退職後は、時間もでき、今よりも充実した生活が送れるはずだと思っています。不器用で、いろんなことが同時にできないタイプなので、今まで、仕事と家庭に向き合ってきましたが、本来はいろいろやってみたい人です。自分がどんな老後を送るのか、楽しみです。
Q.人に薦めたい好きな本・映画などがありましたら教えてください
人に勧めたいということではありませんが、私は、このところ、安岡正篤の「佐藤一斎「重職心得箇条」を読む」という本をよく読み返します。幕府の大学総長であった佐藤一斎が書いた「重職心得箇条」についての講演録です。100ページもない本ですが、私がこれまでの人生で諸先輩方から注意されてきたこと、私が気をつけなくてはいけないことを、私を知っているかのように書かれているので、読み返しては反省しています。
映画でいうと、最近見たものでは、「最強のふたり」でしょうか。2011年のフランスのバディコメディドラマです。首から下が麻痺してしまった富豪の男性と、介護役として雇われた刑務所を出たばかりの黒人青年の交流を描いた作品です。なんとも言えないすがすがしい気持ちになれます。
▲東京ディズニーリゾート・トイ・ストーリーホテルにて。ディズニーは昔から大好きです。
戸田さん、どうもありがとうございました!
次回は清水信彦さんです。質問募集開始までしばしお待ちください。
以上、いただいた質問の中から広報課がセレクトのうえ掲載いたしましたが、他に寄せられた質問にもすべて回答いただいております!
下記にまとめて掲載いたしますのでご覧ください。
↓↓その他の質問↓↓
Q.副社長の今までのご経験などから、仕事やプライベートなどで、あの時にこうしておけば良かったなど、反省を含めたアドバイスがあればご教授をお願い致します。
そうですね。質問いただいて改めて考えてみましたが、仕事でもプライベートでも、あの時こうしておけばよかったと思うようなものはないんですよ。反省すべきことはたくさんあるのだとは思いますが。きっと、過去に対してそういう考え方をしないタイプなのだと思います。
Q.自己啓発として○○を習得もしくは勉強しておけばよかったと思うものは何でしょうか?
これはたくさんありますね。最たるものは、経理知識と英語でしょうか。若いころ、経理に異動したいと言っていたころがありました。経理に異動すれば自ずと経理がわかるようになると思っていたんですね。でも経理に異動しなくても経理の勉強はできたはずです。ただ単に努力をする気持ちが足りなかっただけです。
英語をきちんとやらなかったことも「もったいなかったな」と思います。日常会話レベルでいいのでできていたらもっと人生の視野が拡がっただろうなと思います。
Q.過去から現在まで社名にある鉄道以外の事業を展開していますが、今後新たな事業は展開するのでしょうか?この先長い西鉄生活ですごく興味があります。
まち夢ビジョン2035で示しているとおり、2035年に実現したい社会は「居心地よい幸福感あふれる社会」です。西鉄グループはそういう社会を創っていきます。まち夢ビジョン2035の中で「新領域への挑戦」として、環境資源、農水産、ウェルネス、地域ソリューションなどを示しています。これらの事業は当然展開していくことになります。
もう一つ大事なのは、「事業の進化」の中に包含されている分野です。既存事業をとりまく環境は2035年までには大きく変わります。モビリティーサービス、リアルな場提供サービス、BtoC物販サービス、BtoB物流サービス、これらの分野またはその周辺で、事業を進化させることで、新たな事業展開が起きるはずです。そのチャンスを見極める目は、私たちよりも、若い皆さんこそあるのではないかと思います。これからはこれまで以上に、若い皆さんの感性が重要になると思っています。
Q. 給与、休暇とも同業他社や異業種と比べて水準が見劣りする。住宅手当やリフレッシュ休暇(年休とは別に)を導入することで、採用強化につながり、従業員のエンゲージメント向上になると思うが、全く検討していないのでしょうか。バスや鉄道の現業部門があると無理なのでしょうか。
また、新卒社員の初任給を上げることはいいことですが、一方で3年目社員の給与が今の新入社員の初任給となっていたりと、既存社員が軽視されているように感じます。入社年度だけでこのような違いが生まれ、埋まることのない差になっているのはモチベーションに関わる心配があると思うが、改善する予定はないのでしょうか?
手当制度、休暇制度などは、各社それぞれの特徴があります。表面的な公表事項だけでなく、転勤制度、年休の取得状況なども含めて総合的に比較してみると、違う側面が見えることもあります。
西鉄は、バス、鉄道など、様々な事業を行っていますが、勤務制度、休日制度、待遇などはそれぞれの事業内容をふまえたものであるべきだと思っています。当然、一つの会社である以上、一定の整合性は必要ですが、すべてが同一であるべきだとは考えていません。
大卒総合職については、近年、特に採用競争が激しくなっています。これまで、初任給があまり上がらない時代が長く続いてきましたが、環境が変わりつつあります。今後とも、優秀な学生から見て魅力的な企業であるように、初任給の引き上げ等も行っていきたいと考えています。
一方で、大卒総合職の給与水準が他社と比べて見劣りしていることは事実です。学生のOB訪問で、現職社員が学生に対して「給料は安いけど、仕事にやりがいはある。」と言っていると聞きます。これは是正します。1、2年で、「給料は世間並みだし、仕事にやりがいがある。」と言える会社にするつもりです。
この記事へのコメントはありません。