

こんにちは、鉄道事業本部 運転車両部 安全推進担当です。
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小田急線や京王線、九州新幹線で起きた傷害事件や放火未遂事件を受けて、西鉄天神大牟田線で刃物を持った不審者が乗客を切りつけ放火したという想定で列車内傷害事件対応訓練を実施しました。
今回の訓練には、総勢約120名が参加。筑紫車両基地にて実際の車両を使用し、4つのパートに分けて訓練を実施しました。
車内の様子をZoom中継により車両整備課1階会議室に配信し、異常発生時の対応について検証を行いました。
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緊急事態を想定した訓練を実施!
第1パートでは、車内で事件が発生し、乗客の非常通報ボタン操作により列車が緊急停止、乗客が車外に逃げ出したため周囲の列車に停止確認するまでを実施。
乗客役に扮した西鉄社員・グループ社員約40名の真剣な姿に、車内は緊張感につつまれました。
▲逃げ惑う乗客役 ▲扉を開け車外に逃げようする乗客役
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第2パートでは、運転指令との情報伝達や、乗務員が車内の状況確認を行う中で、パニックになった乗客への声掛け、放火箇所の消火、切り付けられた負傷者対応、車外に逃げ出した乗客対応などを行いました。
▲周囲の乗客に負傷者対応を依頼 ▲乗客への声掛け
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第2パート終了後、会議室視聴者も非常はしごを使って訓練車両に乗り込み、実際に車内の雰囲気や非常通報ボタン・ドアコック操作を体感しました。
▲警察も実際に操作 ▲ドアコックを乗客が取扱うリスクを説明
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第3パートでは、運転指令より現場への応援要請を受けた乗務所・車両・電気・線路の各部門の係員が現場に駆け付け、非常はしごを扉に装着し車椅子を含む乗客を車外に避難誘導しました。
非常はしごを取り扱う機会はめったにないため、各部門にとって非常に有効な訓練になりました。
▲車外へ避難誘導(車いす対応) ▲非常はしごを使った避難誘導
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第4パートでは、鉄道警察隊のご協力のもと、鉄警隊員が不審者役に扮し、車内で刃物を振り回して周囲の乗客を威嚇しているとの想定で、不審者対応実感訓練を実施しました。
不審者役の迫真の演技により、対応した乗務員はもとより見学者にもビリビリと緊迫感が伝わってきました。
訓練のあとに鉄道警察隊より、不審者に対応する際の注意点などをレクチャーいただきました。
▲不審者対応実感訓練 ▲訓練後、乗務員へインタビュー
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全ての訓練終了後に、会議室にて九州運輸局・筑紫野太宰府消防本部・鉄道警察隊・筑紫野警察署の方々より、事件発生時の心掛けや注意点などのアドバイスをいただき、その後の質疑応答は予定時間を超えるほど活発に行われました。
▲消防本部からのアドバイス ▲訓練参加者から質問
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信じられないような事件が立て続けに発生しており、他人事ではないと感じるいま、私たちがとるべき行動について、今回の訓練で出た課題を整理し、異常時マニュアルを拡充してまいります。
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従業員の皆さまへお願い
最後に西鉄グループ従業員の皆さまへお願いです。
乗務員が状況をいち早く把握することで最善の対応をとる事ができますので、
もし、列車内で同様の事件や異常が発生した際には以下の二点についてご協力をお願いします。
①電車に乗る際は、非常通報ボタンの設置位置を確認すること。
②異常が発生したら躊躇なく非常通報ボタンを押すこと。
※非常通報ボタンを押すことで乗務員と通話できますので、状況をお知らせ下さい。
なお下記の車両には通話機能はございません。
天神大牟田線 5000形 貝塚線 600形
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