

こんにちは、鉄道事業本部 安全推進課 天本です。
2023年10月6日、筑紫車両基地にて「鉄道総合訓練」を実施しました。
鉄道総合訓練は、事故・災害等の発生に際し、安全最優先の意識と行動、正確な情報伝達および指揮命令系統の確認と、復旧手順の習熟を図ることを目的に実施する総合的な訓練です。
【災害復旧訓練(脱線時)】 【車内傷害事件対応訓練】
訓練には、鉄道事業本部をはじめ、西鉄ステーションサービス、西鉄エンジニアリングなどの鉄道関係グループ会社、安全あんしん推進部などの鉄道部門外の社員の他、九州運輸局、鉄道警察隊、筑紫野警察署、筑紫野太宰府消防組合消防本部など総勢約320名が参加しました。
また今回の訓練には、林田社長・安全マネジメント委員長である戸田副社長も参加して下さいました。
【開会式の様子】
災害復旧訓練
近年激甚化する自然災害に対応するため、車両部門による復旧訓練および関係箇所への情報伝達訓練を実施しました。
訓練は、「大雨で線路横の樹木が根元から折れ、線路内に滑り落ちて来たところに列車が進入、運転士が非常ブレーキをとるも間に合わず接触し、車両が脱線した」という想定で実施しました。
脱線した車両の復旧は、約30トンもある6000形の車両を左右2本の油圧ジャッキで持ち上げて線路上に戻す大掛かりな作業で、本番さながらの訓練となりました。
【脱線した車両】 【西鉄版ドクターイエロー「救援車」よりジャッキなど必要機材を降ろす様子】
【ジャッキを通すレールを作り、均等に持ち上げるために左右のバランスを整える ※この作業が時間が掛かるとのこと】
【左右均等に上げ、ゆっくり正常な位置に戻していく】
【林田社長や戸田副社長が見守る中、無事に車両が復旧】
車内傷害事件対応訓練
鉄道警察隊、筑紫野警察署、筑紫野太宰府消防組合消防本部にも訓練に参加していただき、「列車内の乗客をナイフで切りつけ、電車に火をつけると叫んでいる人がいる」との想定で、乗務員・駅係員の対応、現場での情報収集や関係部署・警察・消防への情報伝達の訓練を実施しました。
この訓練には、自動車事業本部、住宅事業本部、都市開発事業本部、総務部、グループ営業企画部、福岡西鉄タクシー、西鉄ホテルズ、西鉄運輸などの皆様にも乗客役として参加して頂きました。
犯人役は鉄道警察隊員に務めていただき、非常に緊迫感のある状況の中、乗務員・駅係員がいかにお客様を安全に避難誘導できるかを確認しました。
【事件発生前の乗客役の皆さん】 【犯人役の鉄道警察隊員】
【乗務員の対応】 【警察による犯人確保】
また、消防隊は車内放火に備えた訓練、救急隊による負傷者救出訓練を実施しました。
【消防隊や救急隊による負傷者救出】
【救助隊や乗務員などによる乗客の避難誘導】
訓練終了後は、警察・消防による訓練の振返り、犯人や負傷者対応についての指導・助言を頂きました。
【警察による訓練の振返り】 【松藤本部長による訓練の総活】
最後に
今回の訓練は、訓練者それぞれが万が一の事態を想定して真剣に取り組んでいただき、非常に有意義であったと感じています。
また、初めて鉄道部門外の皆様にも参加いただき、実際にこのような状況に遭遇した場合、西鉄グループ社員として何をすべきか、自分ごととして考える良い機会にしていただいたのではないかと思います。
仮にこの様な事態に遭遇した場合、自分の身を守る行動を取ることは勿論ですが、110番・119番通報や非常通報ボタンでの乗務員への連絡、お客さま誘導等出来る範囲で乗務員へのご協力をお願いします。
鉄道の安全運行には、今回のような事故・災害等の最悪の事態を想定した訓練や、そうした事態において、どう行動すべきか想像力を巡らせて日々の業務に従事することが必要不可欠です。
今回の訓練を通じて、参加者一人ひとりが、「最も優先されるのはお客様の安全である」ことはもちろん、「従業員自身の身を守る」ことの難しさと大切さについても、身をもって再認識することができました。
これからも鉄道グループ一丸となって「安全最優先」の列車運行に努めてまいります。
西鉄グループ社員の皆さまへのお願い
ホーム・車内・踏切には非常通報ボタンを設置しています。
これらのボタンが押されると、付近を走行する電車は直ちに停車します。
(車内のボタンの場合は、その電車は最寄り駅に停車します。)
乗車時には非常通報ボタンの位置を確認していただき、次のような異常を発見した時はボタンを押してください。
①電車内 ②ホーム ③踏切
① 電車内・車内で列車の異常を感じた場合
・急病のお客さまが発生した場合
・犯罪行為を見かけた場合
・不審物を発見した場合
② ホーム ・ホームから転落されたお客さまを見つけた場合非常通報案内
③ 踏 切 ・落輪やエンスト等で踏切内から動けない場合
ご協力、宜しくお願い致します。
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