

こんにちは!鉄道事業本部です。
西鉄貝塚線は、4月の西鉄天神大牟田線に続き、西鉄貝塚線が100周年を迎えた5月23日(木)に貝塚駅で記念ラッピング電車の出発式を行いました。
歴史
1924(大正13)年5月23日、西鉄の前身会社の一つである「博多湾鉄道汽船」の新博多ー和白間が開通、営業を開始しました。
翌1925(大正14)年7月1日には和白ー宮地嶽間を延伸し「宮地岳線」となりました。
新博多(のち改名して西鉄博多 → 千鳥橋)を起点に、沿線には筥崎宮・香椎宮・宮地嶽神社があり、開業当初から三社詣でや海水浴など行楽客を積極的に誘致しました。
1939(昭和14)年に「香椎チューリップ園」を開園、三苫のいちご園なども人気となり、行楽路線として乗降客はさらに増加しました。
※香椎チューリップ園は、戦時中の休園を経て1956(昭和31)年4月に「西鉄香椎花園」として再開されたのち「かしいかえん」と名称を変え、2021(令和3)年の閉園まで多くの市民に愛されました。
1951(昭和26)年7月1日には宮地嶽-津屋崎間が延伸されました。
1979(昭和54)年2月11日、福岡市営地下鉄2号線の貝塚延伸工事に合わせて千鳥橋ー貝塚間が廃止されました。
宮地岳線の輸送人員は1992(平成4)年度をピークに減少、特に西鉄香椎から津屋崎までの郊外区間の減少が著しかったことから、2007(平成19)年4月1日に西鉄新宮ー津屋崎間が廃止され、残存区間は「貝塚線」に名称変更されて現在に至ります。
▲1926(大正15)年頃 筥崎宮参道付近を進む汽車 現在も筥崎宮の大鳥居横にある高灯籠が見えます
▲開業前年の1923(大正12)年に完成した名島川橋梁は、今も現役で貝塚線の運行を支えています
(左)1929(昭和4)年頃 (右)現在 ※土木遺産に指定されています
出発式
貝塚駅のホームには多くのお客さまと報道陣、さらにはみそら保育園の園児にお越しいただきました。
今回もラッピング電車のデザインは、西鉄電車の公式キャラクター「ガタンコとゴトンコ」の生みの親、パントビスコさんに手がけていただきました。
出発式には、松藤鉄道事業本部長、貝塚電車営業所の高本所長、パントビスコさん、みそら保育園の園児たちが出席し、ホームに入線してくるラッピング電車をみんなでお出迎え。
ラッピング電車にはガタンコとゴトンコはもちろん、ババ・バスオやパントビスコさんのオリジナルキャラクターがあしらわれています。
車体カラーのオキサイドイエローを活かしつつ水色は路線に面する海(博多湾・玄海灘)をイメージし、窓の下には貝塚線全駅が描かれています。
ラッピング電車がホームに到着すると、車両の中から西鉄の新入社員のみなさんがみそら保育園の園児たちをお出迎え。
園児たちと一緒に車両に乗り込み、ガタンコとゴトンコのステッカーを貼りました。
記念撮影終了後、松藤鉄道事業本部長が沿線のお客さまへ感謝の言葉を述べられました。
パントビスコさんの挨拶の後、高本所長とパントビスコさんが片手を挙げて出発合図を行い、ラッピング電車が出発!
出発式の様子はコチラ!
さいごに
西鉄貝塚線はこれからも安心・安全を第一に走り続け、より多くの方に電車をご利用いただけるよう、PRに努めてまいります。
おまけ
皆さん、0キロポストってご存じですか?
鉄道には起点からの距離を表す「距離標」という標識があり、キロメートル単位で表示されるので「キロポスト」と呼ばれてます。
スタート地点の標識は0キロポストといいます。
▲0キロポスト(イメージ)
実は西鉄貝塚線の始発駅である貝塚駅には0キロポストがありません。
貝塚駅の一番のりばには「1/2 3」と書かれたキロポストがあります。
これは起点(0キロポスト)から3と2分の1キロ、すなわち3.5kmの地点を示す標識です。
ここより3.5kmも前にある「起点」とはどこなのか・・・?
そこは、歴史で触れた博多区にある千鳥橋付近にかつてあった「千鳥橋駅※」になります。
※1924(大正13)年に新博多として開業、1942(昭和17)年に西鉄博多、1954(昭和29)年に福岡市内線の乗入に伴い新博多、1963(昭和38)年に千鳥橋に改称になってます。
▲1953(昭和28)年頃 西鉄博多駅 正面(現 国道3号線側)
▲1953(昭和28)年頃 西鉄博多駅 ホーム側から 左上に見えるのは御笠川に架かる千鳥橋
今でも西鉄新宮までの道のりは千鳥橋から測られています。
※貝塚駅は営業キロ的には「0キロ地点」となります。
2007年に西鉄新宮から津屋崎までが廃線になった事を知っている方は多いと思いますが、千鳥橋から貝塚までが1979年に廃線になったことを知っている方は少ないかと思います。
現在は「アクロスガーデン千鳥橋」と呼ばれる回転寿司店や、しゃぶしゃぶ店など、飲食関係の商業施設になってます。
▲千鳥橋駅は「はま寿司」の所に建っていたとのことです。
西鉄貝塚線の0キロポストは無くなってしまいましたが、100周年のこの機会に西鉄貝塚線の歴史に触れてみてはいかかでしょうか?
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