こんにちは、鉄道事業本部 安全推進課　工藤です。

10月11日（金）、筑紫車両基地にて「鉄道総合訓練」を実施しました。
鉄道総合訓練は、事故・災害等の発生に際し、安全最優先の意識と行動、正確な情報伝達および指揮命令系統の確認と、復旧手順の習熟を図ることを目的に実施する総合的な訓練です。


今年度は、大規模地震が発生したとの想定で訓練しました。
訓練には、鉄道事業本部をはじめ、西鉄ステーションサービス、西鉄エンジニアリングなどの鉄道関係グループ会社、安全あんしん推進部などの鉄道部門外の社員の他、九州運輸局、鉄道警察隊、筑紫野警察署、筑紫野太宰府消防組合消防本部など総勢約400名が参加。また、林田社長・戸田副社長にもご参加いただきました。

負傷者救護・避難誘導対応訓練

地震の影響で福岡（天神）行き特急電車が紫駅～朝倉街道駅間で脱線し停車。車内には約200名のお客さまが乗車しており、複数のお客さまが負傷、また車椅子・白杖利用のお客さまが乗車しているとの想定で負傷者救護および車外への避難誘導訓練を実施しました。
本訓練には、警察・消防のほか、乗客役として、鉄道部門に限らず運輸部会、建物部会、食品部会の皆さまにもご参加いただきました。

乗務員と運転指令。運転指令と関係部署・警察・消防との情報伝達訓練に始まり、大規模地震のため、警察・消防や現場応援者がなかなか現場に到着できない状況で乗務員がお客さま対応するなかで、今回ブラインド訓練として、車内に閉じ込められ不安な気持ちを持たれたお客さまが乗務員に詰め寄るという設定で行いましたが、緊迫した雰囲気の中、乗務員は冷静に対応することが出来ました。

警察・レスキュー隊が駆け付け、負傷者を車内から救出し救急搬送したのち、乗務員は周囲のお客さまに協力を依頼し、駆け付けた西鉄社員とともに、車内のお客さまを非常梯子を使って車外に誘導し、避難所まで案内誘導しました。

訓練終了後は、警察・消防による訓練の振返り、異常時のお客さまの対応方法や負傷者対応についての指導・助言をいただきました。

脱線車両・施設の復旧訓練

地震により車両が脱線し、電気・線路の施設にも被害が発生したとの想定で、車両部門による脱線復旧訓練、電気部門による遮断機倒壊・架線復旧訓練、線路部門による軌道変形・道床流出復旧訓練を実施しました。
車両部門では、脱線した先頭車両（約30トン）を左右2本の油圧ジャッキで持ち上げて線路上に戻す大掛かりな作業を行いました。


電気部門では、レールカートによる点検から、移動クレーン・架線塔車を使用して垂下した電車線の復旧作業と、倒壊した遮断機柱の復旧訓練を行いました。


線路部門では、レールカートによる点検から、軌陸バックホウ・軌陸ダンプを使用しての軌道変形・道床流出復旧作業を行いました。日頃の訓練の成果をいかんなく発揮して、各部門が速やかに復旧することが出来ました。

最後に

近年、大規模地震が頻発しており、私達が住むこの福岡でも、いつ発生してもおかしくない状況です。今回、訓練者が真剣に取り組んでいただき、大変有意義な訓練であったと感じています。また、鉄道部門以外の皆さまにも乗客役として参加いただきましたが、実際にこのような場面に遭遇したとき、西鉄グループ社員として何をすべきか、考える良い機会になったのではないかと思います。もしこのような事態に遭遇した場合には、出来る範囲で結構ですのでご協力をお願いいたします。

今回の訓練を通じて、参加者一人ひとりが、「最も優先されるのはお客さまの安全である」ことはもちろん、「従業員自身の身を守る」ことの大切さについても、再認識することができました。
これからも鉄道グループ一丸となって「安全最優先」の列車運行に努めてまいります。