

こんにちは、広報課です。
西鉄では、地方自治体や中央省庁、企業など外部組織へも人財派遣を行っていることをご存知でしょうか?
(2025年1月現在で26カ所、計33人)
西鉄グループの外で働くってどんな感じなのでしょう・・・?
活躍している西鉄人へのインタビュー企画第3弾です。
今回お話くださる方
福岡県 下川 明日希 さん
2018年入社、鉄道事業本部(春日原連立工事事務所)にて5年勤務。春日原駅から下大利駅の区間で、杭や柱、高架橋といった安全を守る構造物から、駅のホームや軌道といった快適性に係る工事などに携わる。
また、工程や事業費、関係者調整などの事業全般に係る管理を経験。
2023年より福岡県(建築都市部都市計画課計画係)へ派遣。
現在、どのようなお仕事をされていますか?
私の派遣先・福岡県庁は総職員数約4.1万人、予算約2兆円のとても大きな組織で、主に県民の生活に資するサービスを直接または60市町村を通して提供しています。
私の所属する都市計画課は、都市計画法を所管する部署として、県全体の都市の健全な発展と秩序ある整備を図るための適切な制限と合理的な利用が図られるよう、国の示すコンパクトプラスネットワーク(拠点と軸による持続的なまち)を目指して、県内の土地利用の方針や全国でも珍しい立地基準を定め、同法または関連法によるまちづくりを行っています。具体的に言うと土地利用や景観、道路等の整備開発保全の方針決定、区画整理事業や再開発事業といった整備、開発に係る許認可等を行っています。
私は計画係で筑後地域や北九州地域の市町村と都市計画法に係る協議、官民連携事業を主に担当しています。
市町村との協議では、用途地域や地区計画などの面的な土地利用に係る都市計画決定、それらを包含した都市計画区域マスタープランや立地適正化計画といった長期計画の策定について、都市計画法や県基本方針等の上位法からの広域的な目線を踏まえつつ、地域の目指したい方向性を実現するためのサポートを行っています。
官民連携事業では、R6年度から2年で行う官民連携による公共空間の利活用事業に携わり、まちの中心に持続的なにぎわいを発生させる社会実験の計画を自治体と共に進めています。
都市計画という面で考える施策と、地域のにぎわいを創出する事業という、トップダウンとボトムアップの両面から都市政策に携わらせていただいております。
(左:打合せ風景、右:委員会風景)
(左:会議風景、右:司会を務めた研修会風景)
仕事のやりがいや大変なところ
社会変容が進んだことから、県全域で見ると、都市計画の方向性がまちを健全に発展させることから維持することに変化しています。従来の規制と緩和のような供給量コントロールの考え方から脱却しないといけないのですが、まちは様々な要素で成り立っているのでミクロな分析が難しく、10年20年の長期間でマクロに分析する方法を採用しているものの、その時のトレンドに合わせることが難しく、また評価手法も確立されていません。
明確な正解を誰も持っていない中で、各市町村の担当者と様々な事例や学識者の意見などを参考にしつつ目標と現実のギャップを少しでも埋める方法を考えることが、やりがいでもあり苦労でもあります。
また、行政目線では良いと考えられることでも、それが様々な利害関係者(国や議員、庁内他課、自治体、企業、地権者、周辺住民)にとっては良くないと思われることが多々あります。全方面から納得されるようにひたすら様々な角度から検証し論拠を求められるのは、行政の立場ならではのとても大変なところで、公共という、誰のために行うのかターゲットを絞ることの難しさにぶつかっています。
ただ、全体でみると地権者から学者まで様々な関係者によってひとつのまちを創り変えていくという大きな話なので、将来振り返ったときにあのとき全力で取り組んで良かったと誇れるように今頑張っています。(笑)
福岡県庁のここがスゴい!
派遣されて一番感じるのは、構想~事業化までの全体の流れが良く把握出来る点です。現在地を把握することができるため、目標に到達するための課題を整理することに特化していると感じます。
また、説明責任があるため、全方面から納得されるよう論理立てて根拠を用意するという事前準備にとても時間をかけている印象です。一部のみに着目したり穿った見方をするともちろん穴もありますが、全体で補えるように作られています。実際、決裁権者だけでなく係内でも様々な方向性から意見をぶつけて検証を行っており、普段から抜け漏れが無いようにしています。
組織的な面だと、文書への徹底ぶりに驚きました。文書の書き方から保存方法まで統一されており、例えば昭和45年の文書を地下書庫へ探しに行く際も、分類がされているので探し出しやすく、また内容も大枠から書かれているため把握がしやすいです。
離れて気づいた西鉄の良さ
県と比較して意思決定、物事の進むスピードが速いです。その背景には意思決定権者が個人の考えを尊重し、よく聞いてくれる、信頼関係があるためと感じます。
また、業務を行う上で西鉄が福岡県のまちづくりに与えている影響(貢献度)の大きさはどの企業よりも大きいのではと思いました。まず西鉄の行ってきたまちづくりの取組みは全国に先駆けており、国の資料でもしばしば事例として目にします。また、公共交通沿線と協働したまちづくりに複数取り組んでいますが、それは事業継続という意思だけでは達成されず、自治体に対し公共交通等様々な生活インフラで貢献してきたことと併せて良好な関係性を築いてきた伝統の現れのようなものだと感じます。
もちろん、これから先を従来のやり方のみで維持するのは難しくなってくるでしょう。自治体や地域と良好な関係性を強みに、上場企業としての経営力や判断力といった機動力を自治体へ展開し、身近な地域課題の改善に対し事業化するなど、効率化だけでなく価値の創出が社会から求められていくと思います。
西鉄のみなさんへ一言
外部派遣というとても貴重な経験をさせていただいていますが、これまで西鉄で働く方々が築き上げたもののおかげで感謝される機会が多いので、その方々に代わって皆さんに言わせてください、ありがとうございます!!(笑)
(課・係のみなさんと)
下川さん、どうもありがとうございました(*^▽^*)!
次回登壇者は未定ですが、来年度も社外派遣の方の活躍をレポートしていけたらと思っていますので、引き続き楽しみにお待ちください♪
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