

東京事務所の川上です。今回より「東京・関東見聞録」を担当することになりました。
東京を中心に幅広い分野の新規性・希少性が高い取り組みを皆さまにお届けしていければと考えております。
初回は、横浜都心臨海部において4月22日に運行を開始した
日本初の常設都市型ロープウェイ「YOKOHAMA AIR CABIN」を取り上げます。是非最後までご覧ください!
導入の背景は...?
横浜市ではIR(統合型リゾート)の実現を見据え、都心臨海部のまちづくりを進めるとともに、
エリアの回遊性を高める取組みを進められています。
今回ご紹介するロープウェイだけでなく、昨年7月には新たな交通軸として
横浜駅からIR予定地である山下ふ頭までの主要な施設を結ぶ連節バス「BAYSIDE BLUE」を導入されており、
現在は快適かつ魅力的な歩行者ネットワークの形成を図るため、歩行者デッキの整備を段階的に進められています。
世界最先端の機能を装備!
運行区間は、桜木町駅前と新港地区の運河パークを結ぶ区間で全長は約630m。
所要時間は片道約5分、高さは最大約40m、キャビンは定員8人(×36台)。料金は大人片道1,000円です。
特徴としては、完全バリアフリー対応、自然循環による換気システムに加え冷房システム、安全監視システムを備えており、
夜にはLEDによる演出照明をおこなうなど世界最先端の機能を誇っています。
デザインについては、都市景観に調和・融合するだけではなく、
新たな交通として先進的なイメージが感じられるシンプルですっきりしたものとなっています。
■詳細はこちら:(公式サイト)https://yokohama-air-cabin.jp/
魅力満載!一方で交通としての課題も...
思った以上に窓(ガラス面)が大きく、横浜・みなとみらいの景観を満喫できます。
高所からの眺望は非日常的で格別でした。
今回は昼に乗りましたが、おすすめは夜景らしいので機会があれば是非乗ってみてください。
また、ロープウェイの魅力は乗って楽しむだけでなく眺めても楽しめる点だと思います。
周囲から見上げると、新鮮さや驚きはあるのですが、景観に調和しており違和感が全くありません。
新たな街の魅力として同地区のブランド力向上にも寄与していると感じました。
一方、交通として捉えると厳しい面もあると思います。
定員8人ですが実際は良くて半数。30秒間隔で輸送したとしても500名/h程度になります。
開業間もないこともありますが週末には桜木町駅側に長蛇の列ができていたようです。
現時点では、あくまで移動自体を楽しむ観光資源として捉えたほうが良さそうです。
なんといっても料金が1,000円ですしね。
おわりに
繰り返しになりますが、横浜臨海部の発展は目を見張るものがあり、
構成する「横浜駅周辺地区」、「みなとみらい21地区」、「関内・関外地区」それぞれが、
地区毎の特性を生かしたまちづくりを進められています。
個人的に素晴らしいと思う点は、エリア全体の景観に対する配慮と回遊性を高める意識です。
移動に関して言うと、現状では各モードの連携が不足するなど不便な面もありますが、
行政と民間が一体となって臨海部の利便性や魅力向上に向け様々な取り組みを進められていることは興味深く感じます。
また、福岡と同じく「my route」を活用してサービスの充実に取り組んでいる点も面白いですね。
コロナが落ち着いたら横浜に出かけてみてはいかがでしょうか。
※首都圏エリアで取り上げて欲しい取り組みがあれば教えてください。
できる限り対応していきたいと思います。ジャンルは問いません。
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