

みなさんこんにちは!西鉄人事サービス(株)健康管理担当の保健師です。
近年はまわりの人の健康を脅かす受動喫煙を避けるために多くの施設が禁煙となり、また、皆さんの健康意識も高まり喫煙者にとっては肩身の狭い時代となってきました。
そんな中で心の中に少しずつ禁煙に対する関心が芽生えきている人もいるのではないでしょうか?
本日は喫煙者の方にとっては、耳の痛いお話しとなると思いますが、禁煙について考えてみます。
たばこのメリット・デメリット
【メリット】
「タバコを吸うと緊張が和らぐ」、「タバコをみんなで吸うと楽しい」「タバコを吸っている自分が好きだ」など喫煙者からの声があるようです。
喫煙される方にとっては、精神的なメリットは大きい一方で、医学的に証明されたメリットはないのが現状です。
【デメリット】
喫煙が、がん発症の原因になることはよく知られていますがじつは、それだけではありません。
がんをはじめ、脳梗塞や心筋梗塞、狭心症といった虚血性心臓病や 慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの呼吸器疾患、糖尿病、歯周病など多くの病気と関係しています。また、女性は妊娠出産などにも大きな影響があります。
喫煙することで起きること
喫煙者は非喫煙者に比べ、肺がんで死亡するリスクが、男性では4.5倍、女性では2.3倍、高くなるというデータがあります。また男性では、喉頭がんで死亡するリスクが32.5倍という結果が出ています。更に喫煙者が虚血性心臓病になる危険性は、非喫煙者の2~3倍で、突然死はなんと5~10倍になっています。とても怖い結果ですね。下の写真は非喫煙者と喫煙者の肺です。喫煙者の肺は見ての通り真っ黒になっています。
少しずつでも禁煙を始めてみましょう
禁煙すると24時間で心筋梗塞や狭心症などの心臓発作のリスクの低下がみられます。禁煙後早ければ1ヵ月たつと、せきや痰などの呼吸器症状が改善します。また免疫機能が改善して、かぜやインフルエンザなどの感染症にかかりにくくなります。さらに禁煙後1年たつと肺機能が改善し、禁煙2-4年後には虚血性心臓病や脳梗塞のリスクが約1/3減少します。肺がんのリスクが低下するのは禁煙5年後以降と少し時間がかかりますが、禁煙して10-15年経てば様々な病気にかかる危険が非喫煙者のレベルまで近づくことがわかっています。
たばこの種類でリスクは変わるの??
【加熱式たばこ】
タバコの葉を加工したものに熱を加えて霧状の粒子を発生させ、その中に含まれるニコチンを吸います。ニコチンが含まれているので、喫煙者は血中ニコチン濃度が一定に達するまで、つまり自分が満足するまで吸い続けたくなります。そのため喫煙回数が増え、結局ニコチン摂取量は変わらないことが多いという研究があります。加熱式たばこの中身は、紙巻タバコと同じタバコの葉ですから、やはりニコチンをはじめとした有害成分が含まれています。
【電子たばこ】
「リキッド」と呼ばれる液体を加熱して、その蒸気を吸うための製品です。リキッドの主な成分は、プロピレングリコールと植物性グリセリンで、どちらも食品添加物として広く使用されている物質で植物性グリセリンなので、人体への悪影響は少ないとされています。しかし、これらの物質は、あくまで食品添加物として使用する分には安全性が高いとされているのであって、加熱して肺の奥に吸い込んだ時の安全性まで保証されているのではありません。 ニコチン・タールが含まれていない電子タバコなら禁煙できると思うかもしれません。しかし、国立がん研究センターの調査では、電子タバコを使用した人は、使用しなかった人より禁煙成功率が38%少ないと結果が出ています。
禁煙を成功させるには...
自分の意志だけで禁煙するのは難しい場合もあります。
そのような場合は、ニコチンガムやニコチンパッチなどの「禁煙補助剤」を利用するのも1つの方法です。 また、最近は医師による禁煙指導が受けられる「禁煙外来」もあります。
乗務員の方は飲み薬での治療はできませんが、禁煙外来では、自分に合ったアドバイスが受けられ、自力に比べて3~4倍禁煙に成功しやすくなることがわかっています。治療は健康保険でできます。
禁煙するも喫煙するも皆さん次第ですが、健康の観点で言えば、禁煙をお勧めします。以上、健康管理担当でした。
|
この記事へのコメントはありません。