

こんにちは、西鉄車体技術です。
2023年12月22日~25日にマリンメッセ福岡で開催された、福岡モビリティショー2023に出展いたしました。
当社はEVバスを事業の柱の一つと考えており、2年前にEVに関する知見を広げるためのプロジェクトチームを立ち上げ、内燃機関エンジンをEVに変換する取組みを行っております。
また、EV小型コミュニティバスというこれまでにない分野の車両を、福岡県の助成金制度を活用して開発させていただいていたご縁もあり、今回福岡県よりお誘いを受け出展に至りました。
出展車両について
・日野デュトロZEV
日野自動車が宅配用に専用開発した小型EVのトラックで、荷室部分を客席に変えることで安価なEV小型コミュニティバスとして開発。
従来のコミュニティバス(1BOX車両)に対し車体サイズがコンパクトにもかかわらずほぼ同じ定員を確保できる一方、
リフトを使わずに車いすのまま乗車でき、ワンマン機器に関しては、大型路線バスと同じ装備の搭載が可能という今までにない特徴を備えており、次世代の小型コミュニティバスとしての可能性を持っています。
・パジェロバスEVコンバート
当社のルーツの一つである2010年に解散した西日本車体工業(以下、西工)で製造したパジェロバスの内燃機関エンジンをEVに変換。
世界でたった1台のこの車両は、前側半分は三菱パジェロ、後側半分はマイクロバスのボディーをつなげたユニークな形で、
1997年から京築交通という西鉄グループのバス会社で過疎地域にお住まいの交通弱者の貴重な足としておよそ6年間走り続けました。
路線が廃止された後は活躍することなく、約10年保管しており、唯一無二の存在であるこの車両を使ったEVへの変換はとてつもないプレッシャーがありましたが、無事みなさまにお披露目することができました。
西鉄グループらしいブースにしよう!
今回が初出展ということで、当社を知らない一般の方にも気軽にブースへ立ち寄ってもらうためにプロジェクトメンバーを中心に様々な工夫を施しました。
展示車両を紹介するパネル掲示では、本物のバス停やIC乗車リーダーを西鉄エム・テック(株)さまよりお借りして取付けしました。
その甲斐もあり、小さなお子さまも『西鉄バス!だ』と言って気軽に立ち寄ってもらえる親しみやすいブースとなりました。
お客さまの反応
<デュトロZEV>
外見はトラックだけど車内は想像以上に広くて明るいという声を多数いただき、市販されているのであればキャンピングカーに改造したいという意外な声も数件寄せられました。
また、車いすで来場されたお客さまを実際に車内までスロープ板を使って乗車していただいた際には、固定装置まで装備していることを大変驚かれていました。
「こんなバスが実際に走っていたらもっと外出したくなるのに。大型のバスに車いすで乗車すると他の乗客の目が気になって進んで乗る気になれないがこのバスであれば乗ってみたい。」と大変喜んでいただきました。
実際に商品化できる可能性を持った車両であることを実感できるいい機会になりました。
<パジェロバスEVコンバート>
(手書きの運賃表)
モビリティショーのHPに画像がアップされた直後からネット上で噂が広まり、初日は雪が降る生憎の天気にも拘らず長蛇の列が!
当時をご存じのお客さまには降車ボタンの音色や手書きの運賃表など、その懐かしい姿と電気自動車に改造したギャップを楽しんでいただけたようです。
また、パジェロバスを初めて見たという方にも興味を持ってもらい、たくさんの方に乗車していただきました。
1997年にノンステップコミュニティバスを造った技術力の高さを実感すると同時に、車両を製造した西工がこんなにたくさんのファンの方に愛される企業だったことをより一層実感しました。
お客さまからいただいたたくさんの声を元に、これからもEVバスの開発に取り組んでいきたいと思います。
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